アフリカンシクリッドの飼育方法
アフリカンシクリッドについて
中央アフリカにあるマラウイ湖、タンガニイカ湖に生息しているシクリッドです(そのままやんけ)。シクリッドとは簡単に言うと “ちょっと気が荒い小型~中型の魚”で海産のスズキから進化した魚達です。
シクリッドと言えばアマゾン川などの中南米に生息する種類(エンゼルやディスカス、オスカー、アピストなど)が「南米シクリッド」と呼ばれており、 非常にポピュラーですが、その種類は150~200であるのに対し、アフリカンシクリッドは500~600種と非常に種類が多いのは知られていなかったりします。 ただ、治安や伝染病、その性質の関係でしょうか、実際に流通されている種類は100種類前後だと思います。
アフリカンシクリッド一番の特徴は色彩で、鮮やかな青や黄色の金属光沢はは海水魚と見間違う程です。 また、マラウイ湖に生息するほとんどの種類はマウスブリーダーと呼ばれる口内孵化を行い、繁殖も意外と簡単です。海水魚を飼いたいけど予算が無い、 簡単に海水魚の雰囲気を味わいたい方には是非オススメの熱帯魚達です。
ここでは、これらアフリカンシクリッドの基本的な飼育器具や飼い方、注意点などについて説明したいと思います。
主な飼育器具
アフリカンシクリッドは2つの湖に生息すると書きましたが、フロントーサ(上写真の真ん中)以外は全てマラウイ湖に生息しています。 つまり、2つの湖には別々の種類が生息し、別々の生態系を作っている訳で、マラウイ湖には中大型で魚食性のシクリッドが、 タンガニーカ湖には小型で付着藻類が主食のシクリッドが主に生息しています。今回、ここでは人気の高い マラウイ湖産で全長が10cm程度の魚達について飼育方法を書きたいと思います。
さて、飼育にあたって南米産の熱帯魚と違う点はPHです。マラウイ湖のHPは7.7~8.9とアルカリ性であり、 当然水質もその範囲内にしてあげる必要があります。こう書くと「なんじゃ面倒くさそう」ですが、底砂やろ材としてサンゴ砂を 右写真(クリックすると拡大します)のように使用するか、飾りでサンゴや貝殼を入れてあげれば簡単にPHをその範囲内に安定できます。 また、各装置についてについての説明は以下の通りです。
- 水槽
ほとんどの種類が10cm以上のサイズに成長する上、テリトリー争いをする事が常なので、最低でも60cm以上の水槽 で飼育する事が望ましいです。また、高さのある水槽の方が見た目にも楽しめるのではないでしょうか。
また、材質についてですが、できればガラスよりもアルカリの水槽のほうが良いかと思います。その理由は、底砂のところをご覧ください。- ろ過装置
- 魚のサイズが大きい分、水を汚すのでろ過能力は十分に確保した方が良いです。また、遊泳性が強く、 水流がある方が好きなので外部式ろ過装置や上部式ろ過装置が良いでしょう。
- 照明器具
- 飼育にあたって強光は必要ないので1灯式の蛍光灯でもOKです。ちなみに上の写真では 海水魚用の蛍光灯を使用することで、少し海水魚っぽい独特の雰囲気を出しています。
- 底砂について
- 底砂はソイル系以外であれば何でも大丈夫ですが、どちらかと言うと粒が大きい方が良いみたいです。また、アフリカンシクリッドはアルカリ性の水質を好みますので、サンゴ砂(サンゴを砕いたもの)を使うと水質もアルカリ性になりますので、魚達にも良いかと思います。
ただ、一つ注意しないといけないのは魚の性質です。飼育すると分かるのですが、彼らは砂を口で運び、巣を作ろうとします。長い時間をかけてどんどん砂を運ぶので、どんなに砂を平らにしていてもアッと言う間に波打ってしまいます。そのため、水草を植えたり、大きな石を配置していると勝手に動く(最悪、倒れた際に水槽自体を破損してしまうこともある)ため、十分に注意して下さい。 - その他
- サイズが大きく、酸素消費量も多いので出来れば写真の様にエアレーションをした方が望ましいです。 ちなみに上写真は底砂内部にエアカーテンを埋め込み、ポコポコと水が湧き出ている様を演出しています。 また、テリトリー争いをする事が多いので岩やサンゴなどで弱い魚が隠れる場所を作ってあげます。 それと、水草は食べられてしまう事が非常に多く、たとえアヌビアス種であっても簡単にかじられてしまいますので使用しない方が良いでしょう。
飼育方法
魚のサイズが大きく比較的丈夫だったこともあり、飼育は容易な方です。ただ、気が強い魚なので、小さく弱い魚については、イジメられることがあるので注意が必要です。石や流木などを入れて隠れるところを多く作ったりするなどして、対策をしてあげてください。餌はアフリカンシクリッド用の顆粒状のものが使いやすいと思います。 量もしっかり食べますので、痩せていないか注意しながら餌を与えてあげるようにしてください。