飼育が難しく、上級者向きと思われているディスカスですが、その原因と思われるトラブルをまとめてみました。 発生を避ける事が困難なトラブルもありますが、飼育設備や飼育環境に原因がある(つまり人間側の認識不足)事も多いので、心当たりのある方は再確認してみましょう。
バブル期に突如発生し、多くのディスカスを死に至らしめた非常に恐ろしい病気です。体色が真っ黒になってヒレをたたみ、
体から粘膜を出し続けながら死んでゆく様は見ていて非常に痛々しいです。病名からも分かるように一時期は的確な治療方法が分からず、
非常にやっかいな病気でしたが、現在ではエルバージュやグリーンFゴールドが有効とされています。規定量の3分の1程度を入れ、
水温を31℃に固定、調子を見ながら1〜3日毎に3分の1程度水替えをしてあげると、早期であれば大抵は治ります。
他の病気もそうですが、早期治療はディスカス飼育におけるポイントで、手遅れになるとあっという間に全滅してしまう事も
ありますので常日頃から魚の状態には注意しましょう。発生原因は”病気を持った個体を購入してしまった事”がほとんどなので、
1.トリートメントタンクを用意して購入した魚は今までいる魚とすぐ一緒の水槽に入れない
2.ショップで十分にトリートメントを行った魚を購入する
3.ディスカスに詳しく、信用のあるショップで購入し、管理不十分なショップでは絶対に購入しない
4.多数のショップでディスカスを購入しない
などで発病を防ぐ事が出来るでしょう。ワイルドと東南アジア産の安価なディスカスは特に注意が必要で、たとえショップで絶好調そうなワイルドでも、 自宅の水槽に入れた途端病気が発生!!なんてことも意外と多いですし、伝染力が非常に強い為に水一滴が 隣の水槽に飛んだだけでも病気が移るので気が抜けません。万が一病気が発生した場合には専用の網を準備して病気の拡散を避けましょう。
鰓(えら)に寄生虫(ギロダクチルス)が寄生する場合と、雑菌が発生し呼吸困難が生じる場合の2通りがあります。
症状は呼吸が速い、片方の鰓蓋が開く(右写真)、呼吸が小さい(特に口の動き)など「息苦しい!!」と
表現している状態と水槽や産卵筒などに鰓を擦りつけて「痒い!!」と表現する場合があります。適時治療を行わないと成長不良を起こしたり、
鰓蓋が完全に開いてしまったりします。
さて、その治療法ですが寄生虫の場合はホルマリンを使用します。使用量や薬浴時間はショップによっても違うのですが、
うちのお店では100gに8cc(水で50倍程度に希釈してから)入れ、8時間度に80〜90%の水替えを行います。
出来ればエアレーションもかけてあげましょう。早期の治療であれば一度の薬浴で治る事もあるのですが、
治らない場合は再度3日後に行うか8ccの6時間で1週間行うと良いでしょう。
これはギロダクチルスのライフサイクルから計算した為で、いくら劇薬のホルマリンであっても卵には効果が無い為です。
ただし、あまりホルマリンによる薬浴を行いすぎると鰓自体がダメージを負ってしまう事、劇薬なので使用には十分注意(目に入ると死ぬほど痛いのは経験済み)して
下さい。
それと、雑菌が原因の場合はエルバージュかグリーンFゴールドを規定量の3分の1程度入れ、数日様子をみる事で治る場合がほとんどです。
尚、ホルマリンは薬局でも販売してくれますが、手続きが必要なのでディスカスショップで購入しましょう。
餌を沢山食べるのに大きくならない、白くて長い糞をしている時は体内に寄生虫が発生している事が
多いです。人間にもサナダムシが寄生しますがそれと全く同じで、大事な栄養を取られてしまい最後には痩せていってしまいます。
駆虫の仕方は2通りあり、食べるのであれば駆虫用のハンバーグを与えるだけでOKです。
食べないのであれば”フラジール”と言う薬を入れて薬浴します。”フラジール”とは女性の膣内を殺菌洗浄する薬で、
薬局でも購入できますが、恥ずかしいのと少量の販売はしていません。これもディスカスショップで購入しましょう、1錠300円以下で販売していると思います。
これを50gに1錠の割合で入れ、水温を31〜33℃に保って3日間そのままにしておきます。水替えはその間行わず、
餌も水質の悪化を避けるために与えません(与えても赤虫を少し)。3日後に80〜90%の水替えをすれば
お尻から白いソウメンの様な虫が出ていることでしょう。
尚、寄生虫は餌に原因がある場合が多く、特に安価な赤虫は心配なので出来るだけUV殺菌してある物を購入しましょう。
高齢のディスカスに多くみられる病気で、斜めや上下を向いて泳いだりクルクル回ったりします。
浮き袋が正常に機能していない事が原因と思われ、見ていて非常に気の毒です。消化不良や糞詰まり、腸がねじれるなどの理由で体内にガスが溜まり、
浮き袋を圧迫する事が原因の多くであり、魚自体の自然治癒力に頼るしかないので完治する確率は非常に低い
です。よって、確実ではありませんが、お店では次の方法で治療しています。
「病気の個体を別水槽に分け、個体の体高(魚の高さ)まで水を入れます。そうすると水位が低い為に魚は上下を向く事が出来ず、
通常通りの泳ぎ方しか出来ません。このまま1ヵ月ほど様子を見ながら、時々水を入れて水位の上げ下げを行います。」
人によっては単純に水位を極端に上げ下げするだけの場合もありますが、試した感じでは水位を下げた方が効果が高かったです、確率で言うと30%位でしょうか。
ただ、再発の可能性もあり非常にやっかいな病気なので最悪の状況を覚悟した方が良いとは思います。
水槽内でイジメが発生する事はディスカス飼育では日常茶飯事です。弱い個体は餌も食べさして貰えずどんどん痩せていってしまうので何とかしてあげたいのですが、 正直言ってイジメを完全に防ぐ事は不可能なので、少しでも少なくなるように出来る限りの事をしてあげましょう。以下にポイントを述べました。
魚達がびびって水槽隅に固まってしまう現象を”ビビリ”と呼びます。固まるだけでなく黒くなってしまい、 餌を食べる量も減ってしまいますのでどうにかして対処してあげましょう。原因は主に2つ考えられます。
ハンバーグを主食として与えている場合、水質の悪化が早く、ミズミミズやビンゴ虫が発生する場合があります。
ミズミミズはトラブル編で紹介していますが、ビンゴ虫はうちのお店での通称です。水面付近の水槽面に多数発生する小さな生物で、
“ビンコビンゴ”動く事からそう名づけられました。これについての詳しいデータは不明ですが、水質が悪化すると発生し易く、
水替えの際に吸出してろ過槽の清掃を行うと減少するようです。
話は変わりますが、ディスカス飼育ではリン酸やホルマリンなどの薬を多く使用します。
ピペット(スポイト)はガラス製の物が良いのですが、非常に割れ易い為、先端にエアチューブを差し込んで(右写真)
使用すると良いでしょう。