メンテナンス編 その5

水質の調整について

水質の調整について書こうと思い作成したこのページですが、知らなかった事もあったので書物などで調べた上で書き綴りました。 熊本の水が魚の飼育には十分な水質であり、あまり神経質にならなくても良いからなのです。 よって実体験が少なく、住んでおられる地域によっては以下の事が当てはまらない場合があります。あらかじめご了承ください。 また、各地域ごとの詳しいアドバイスはお近くのショップにて相談された方が多分的確だと思います。
では、以下に魚の飼育で良くチェックされる項目を紹介します。

ペーハー(PH)

PH計とPH試薬 水中の水素イオン濃度を調べた物で、水の酸性・アルカリ性を計る際に使用される数値です。 7が中性で、6.9から1に近づくほど酸性、7.1から14に近づくほどアルカリ性を示します。 測定にあたっては市販のペーハー計(6,000円位〜)やペーハー試薬(900円位〜)を使用しますが、ディスカスやアピスト等の繁殖に力を入れない限りは試薬で十分です。
ただし、注意して頂きたいのがHPが指数からの値だという事です。仮にPHが7の水と6の水があったとします。 人間から見るとたかだかの違いなのですが、実際には水中の水素イオン濃度が10倍程度違ってます。 当然、PHが2違えば水素イオン濃度は100倍違う訳で、魚を購入した際にゆっくり時間をかけて入れてあげるのはこれが主な理由です。
また、南米産の魚は6.0前後の弱酸性アフリカ産の魚は8.0前後の弱アルカリ性を好み、出来る事ならその水質にあわせた方が魚も喜ぶでしょうが、 中性の7.0前後であればどちらの魚もそれなりに綺麗な発色をしてくれますので無理に水質を会わせる必要は無いと思うのが私の考えです(あくまでも熊本市での話ですが)。 以下にPH調節の方法を記しましたので調整をされる方は参考にして下さい。

水質を酸性にしたい場合
PH降下剤とリン酸市販のPH降下剤などを使用する
60cmまでの比較的小さな水槽であれば市販のPH降下剤、それ以上の大型水槽か、頻繁に調整を行いたい時はリン酸を使用した方が良いでしょう。但し、リン酸は効果が高く扱いに少しコツが必要な事と一応劇薬である為、扱いには十分注意し、出来ればPH試薬ではなくてPH計の使用をオススメします。
ピートの使用
粒状の苔を焼き固めた物で、水質を弱酸性の軟水(硬度については後で記しています)にします。以前は良く使用されていたのですが飼育水が茶色になってしまう為に最近はあまり使われなくなりました。
ソイル系底砂の使用
ピートに替わり使用される事が多くなった商品でADAなどから発売されています。こちらもピート同様水質を弱酸性の軟水にし、飼育水に色が付かない点が人気の理由です。最近はネットに入れてろ過槽内に入れる方も結構いらっしゃいますが、粒が崩れると水の白濁を招く点には注意が必要です。
二酸化炭素添加の利用
水草育成の為に二酸化炭素を添加しますが、これによってもPHは降下します。但し、添加量を多くし過ぎますと魚や水草が酸欠状態になってしまうので注意しましょう。
パワーハウスの使用
パワーハウス(株式会社クリオン)の微酸タイプはPHを上げにくくする効果があり、上記の方法と併用する事でPHを維持し易くなります。ただ、使い始めは逆にPHを上げる事が多い様にも感じますので最初は注意しましょう。
水質をアルカリ性にしたい場合
サンゴや貝殻の使用
これらを水槽内やろ過槽内に入れる事によってPHを上昇させる事が出来ます。また、底砂の硅砂や大磯砂の中にはサンゴが入っている商品もあり、これらもPHを上昇させます。アフリカンシクリッドの水槽にサンゴ砂が入っているのはPH上昇が1つの理由で、効果は結構高いです。
市販のPH上昇剤の使用
PH上昇剤(1,000円位〜)は安全にPHを上昇できますが、同時にPH降下剤を使用すると水質が非常に不安定になり危険ですので同時使用は絶対に止めましょう。
エアポンプの使用
二酸化炭素が酸素より水中に溶けにくい事を利用した方法です。エアポンプでエアレーション(ブクブク)をかける事によって水中の二酸化炭素を出し、PHを上昇させます。ブクブクを入れないと魚が酸欠で死んでしまうと思われている方も結構いらっしゃいますが、場合によってはPHが上がり過ぎ、逆効果を招く事もあるのはあまり知られていません(稀ですが)。
パワーハウスの使用
パワーハウス(株式会社クリオン)の微アルカリタイプはPHを下げにくくする効果があり、上記の方法と併用する事でPHを維持し易くなります。

総硬度(GH)

水中に含まれているカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総和量濃度で、1〜の整数で表します。 これらのアルカリ土金属が多く含まれていると”硬水”、少ないと”軟水”と呼ばれ、南米産の魚は0.1〜3程度の”軟水”が最適とされています。 実際には7程度までならほとんどの種類が育成可能ですが、それ以上の硬度になると発色が悪くなったり最悪の場合には☆になったりもします。 逆に硬度が低すぎますと魚が水質に対して敏感になり、逆に飼育し難くなりますので注意が必要です。 個人的には1.5〜3が理想、3〜8程度までなら気にしなくてOKと思います。
尚、総硬度を測るには市販の試薬(1,500円位〜)を使用します。

硬度を下げる場合
Bタイプの軟水器(ソフナイザー)ソイル系底砂の使用
PH降下の所でも述べた通り、PHと同時に硬度を下げます。下げ幅は使用量などによって違ってきますので試薬を使用しながら調整して下さい。もちろんピートを使用する事によっても同様の効果を期待できます。
軟水器の使用
水道水蛇口に取り付けて使用するAタイプとろ過装置に取り付けて使用するBタイプの2種類があります。どちらもイオン交換樹脂が入った軟水器を使用する事で硬度さげるのですが、Aタイプで作り出す水は硬度が”0(ゼロ)”である為、これと水道の水をミックスさせて硬度を調整しなければならず、非常に面倒なのが難点です。
硬度を上げる場合
サンゴや貝殻の使用
PH同様、使用する事によって硬度を上げる事が出来ます。でもアフリカンシクリッドの飼育以外で硬度を上げる必要はあまりありません・・・

炭酸塩硬度(KH)

炭酸水素イオンを中心としたマイナスイオンの濃度で1〜の整数で表します。水の硬度を表す為の1つの指標で、水中の二酸化炭素濃度やPHに深いかかわりがあり、一般には2〜8が適当とされています。 また、KHが高いとPHの急激な変化を和らげる効果が高くなるみたいです。炭酸塩硬度を測るには市販の試薬(1,600円位〜)を使用しますが、二酸化炭素を添加すると値が上昇してしまうので注意が必要です。

炭酸塩硬度の上げ下げをする場合
正直熊本でKHを調整する事はほとんど必要無く、また実際に僕も調整した事が無いので詳しい話は出来ません。ただ、市販の商品でKHを上げたり下げたりする物(1,000円〜)がありますのでそれを使用するのが良いかと思います。ただし、KHを下げる商品は同時にPHも下げる効果があるみたいで、使用にあたっては十分注意して下さい。

総溶解度(TDS)

水中に溶けているすべての物質の含有量で、水中の不純物や水槽内のフンや食べ残しによる水の汚れをチェックする目安となる。 また、水道水自体に問題がある場合もこれを計る事である程度の問題は発見できるらしい(!?)。 単位はppm(ピー・ピー・エム)とμS(マイクロジーメンス)の2種類があり、μSは導電率として利用されている。 測定するにはそれぞれ市販の測定器(PH計みたいなの、8,000円位〜)が必要で、当然商品も2種類あるのですが、ppmの値を2倍するとのμS値になるのでどちらを買ってもあまり大差は無いように感じます。 ちなみに熱帯魚飼育にあたっての適正値は100〜200μSで、あまり値が小さいと魚が敏感になって良くないみたいです。

TDSの上げ下げをする場合
マーフィードの浄水器 単純に飼育水が汚れている場合は水替えで下げる事が出来るのですが、水道水自体の不純物が多すぎる場合には浄水器のRO(リバース・オスモシス)やイオン交換樹脂を使用して水をきれいにする必要があります。 ただ、これらの浄水器を使用して出来た水は純粋(不純物ゼロの水)である為に、水道水とブレンドしてある程度TDSを上げなければなりません。 つまり、非常に面倒なので熊本で使用されている方はほとんどいないのではないでしょうか?使っても水中のカルキや重金属を除去する程度の商品が多いみたいです。
僕も実際に使った事はほとんどないのでこれ以上のコメントは避けておきますが、購入に際しては水質について近くのショップでよく話した上でをオススメします。

その他

大事なのを忘れてました。コントラコロラインなどのカルキ抜きやアクアセイフなどの粘膜保護剤です。 どちらも水中の有害物質を中和したり包み込んで無害化する商品です。上の浄水器と違う点は無害化してもその残骸が水槽内に残る点ですが、よほど特異な水道水で無い限りカルキ抜きの使用だけで魚達は健康に暮らせると思います。 粘膜保護剤は雨季にカルキなどが多くなった時だけ使用すると良いでしょう。