トラブル編 その1

苔の発生について

ラブルで一番多いのは苔の発生だと思います。ここでは各種類の発生原因、対策などを書きますが、これらはあくまでも一般的な解答であり、可能性であるので全ての水槽に当てはまるとは言えません。 各自参考にしながら対策を行って頂けると助かります。
というのも、飼育器具や魚、水草が全く同じでも出来上がる環境が違う事が多いからです。 仮に、器具や生体が全く同じ水槽が2台あり、これを2人の方に自宅で使用してもらったとします。 その後の経過は全く同じにはならない訳で、つまりは水槽の設置場所や餌の与え方、メンテナンス方法等によって微妙に変わってくるのです。
僕は仕事で様々なお客様の水槽を定期的(月に一度)にメンテナンスしています。 メンテナンス内容は水替え&底砂&ろ過槽清掃がメインなのですが、7割程度の水槽は1ヶ月間ほとんど苔の発生が見られません。 これといって特別な器具などは使用していないので、ほんの些細な事で上手くいっているのだと思います。 実際、お店のお客様もベテランであればあるほど苔で悩む方は少ないので、各水槽にある癖を”経験&知識”で掴む事が苔防止のツボだと思います。
水槽内は非常に限られた環境である為、ほんの小さな事が大きな結果を作る事が非常に多いです。 皆さんもこの事を頭に入れながら読んで頂ければ、苔が発生しなくなるかも(?)しれません。

ケイ藻類

ケイ藻類 薄い茶色でヌルッとした感触がし、水槽面や水草によく付着する苔で、水槽セット初期に発生しやすいです。つまり、ろ過バクテリアの繁殖が不十分である事が主な原因です。
発生した苔は薄い膜状で、やわらかい苔の為にスポンジで擦ると簡単に取れます。苔を取った後で換水を行えば大抵は綺麗になるでしょう。また、発生対策としては

  1. こまめに水替え
  2. 活性炭を使用
  3. 水草の量を増やす
  4. 肥料の使用中止

などが有効だと思います。尚、この種類の苔はオトシンクルスやプレコが食べてくれますので数匹入れてあげると良いでしょう。

オトシンクルス
60cm水槽であれば2〜10匹。痩せて入荷することが多いのでなるべく入荷から日にちが経っており、良く太っている魚を購入しましょう
プレコの仲間
種類に関しては水槽サイズや水草の種類にもよるが、60cm水槽であればブロンズプレコなどの小型プレコを1〜3匹入れると良いでしょう。

アオミドロ類

アオミドロ類 茶色や黄緑色で、くもの巣やとろろ昆布の様に水草に絡みつく苔で、水質が悪化した際に発生する事が多いです。水替え不足やろ過装置の能力不足が主な原因です。
発生した苔は出来る限り水替えと同時に吸い出します。また、水草等に多く付着した場合はいったん水槽から取り出して水道で洗浄します。発生対策としては

  1. こまめに水替え
  2. ろ材の洗浄・交換
  3. ろ過装置の交換
  4. 魚の数を減らす
  5. 肥料の使用中止

が有効です。このタイプの苔はエビが良く食べてくれます。

ヤマトヌマエビ
とにかく苔を良く食べるのですが、場合によっては水草自体を食べてしまう事があるので注意が必要。60cm水槽では3〜10匹程度入れると良いでしょう。水槽内での繁殖は不可能ですが、卵を抱えている姿は良く見かけます。安心の1匹!!
ミナミヌマエビ
ヤマトヌマエビ程苔は食べませんが、安価な事と水槽内での繁殖が可能な為に入れられている方も多いです。サイズにもよりますが60cm水槽に5〜30匹入れましょう。
撮影中
ビーシュリンプ、レッド・ビーシュリンプ
小型のエビで、苔を食べる量はかなり少ないです。苔食い用よりも観賞用としての価値が高いのですが、10〜40匹と数を入れれば効果はあります。繁殖は可能ですが、小型な為に魚に食べられる心配があります。

イト・ヒゲ状藻類

イト・ヒゲ状藻類 水草の葉の縁やろ過装置のパイプ等に付着する黒や緑色をした髭状の苔で、水槽内の水流が強すぎる、水替え不足で水が古くなった事が主な原因です。
苔が付着した葉は出来る限り手でねじ切り、ひどい場合は葉自体を切り取ります。パイプの苔は定規などで擦り落とします。発生対策としては

  1. こまめに水替え
  2. 水流を弱くする
  3. 魚の数を減らす

が有効です。このタイプの苔はサイアミーズフライングフォックスが食べてくれます。

サイアミーズフライングフォックス
60cm水槽に1〜3匹入れ、数日餌を与えないと結構食べてくれます。但し、食べてくれるのは小さい時だけなので大きくなったら交換が必要です。

スポット状藻類

スポット状藻類 水槽面や水草の葉等に付着する緑色で硬いスポット(点々)状の苔で、ろ過能力不足やライトの照射時間が長すぎる時や、水替え不足の時にも発生します。
水槽面に発生した苔は市販のスクレーパーや定規で擦る事で取れます。 流木や飾り岩に付着した苔はたわしで擦るか漂白剤に入れ、その後カルキ抜きの希釈液に漬けます。発生対策としては

  1. こまめに水替え
  2. 照射時間を短く

などが有効ですが、ある程度の発生は仕方が無いので、水草の生長を促進し水草に苔が付着する前に新しい葉を出させる方が良いと思います。 このタイプの苔はプレコや石巻貝が食べてくれます。

プレコの仲間
60cm水槽であれば1〜3匹入れます。大型になる種類は水草自体をかじってしまう事が多々あるので水草が入っている場合は小型の種類を入れましょう。
石巻貝(イシマキガイ
ビー玉ほどの大きさの貝で、60cm水槽に3〜10匹入れます。ひっくり返ると自分で起き上がれない上、他の魚達から突付かれて死んでしまう間抜けな面を持っているので気付いた時には直してあげましょう。

ラン藻類

ラン藻類 濃い緑や茶色でドロッとしており、悪臭を放つ上、繁殖力が強い苔で、水槽内が汚れると発生しやすい。 特に底砂が汚れていたり、枯れた水草をそのままにしておくと発生し、あっという間に水槽内を埋め尽くす最悪な苔。
底砂内に発生した苔は市販の砂利クリーナーで水替え時に吸い出します。また、底砂表面に発生した苔はエアチューブで吸い出します。 発生対策としては

  1. こまめに水替え
  2. 水槽全体を新聞などで包み、3日間完全に光を当てない
  3. 薬の使用

が有効です。このタイプの苔はブラックモーリーが食べてくれます。

ブラックモーリー
日頃から60cm水槽に1〜3匹程度入れておき、予防をする事が一番効果的な使用方法(?)です。病気を持っていることが多いので入荷後十分に日数が経っている魚を購入しましょう。

補足説明

上の対策を見て頂くと分かりますが、苔の発生原因は、ほとんどが水替え不足(ろ過能力不足)です。 面倒くさがらずにこまめな水替えとろ過槽の清掃を行いましょう。また、苔を食べる魚を紹介しましたが、最初は数匹入れ、様子を見ながら数を増やしていきましょう。 いきなり大量に入れると効果は高いものの、苔が無くなると餌不足により餓死する事が意外と多いからです。 特にヤマトヌマエビは餌がなくなるとやわらかい水草の葉を食べ始めますので注意が必要です。 書物には10匹程度と書いてある事が多いですが、水槽内の環境が安定しているならば5匹で十分です。
尚、魚の品種に関しては熱帯魚編その4も参考にして下さい。

薬は使った方が良い?

苔防止の薬 水槽内にリシア、ウィローモスを使用していないのであれば薬の使用も効果的です。
錠剤と液状の2種類ありますが、水槽の各所広範囲に苔が発生している場合は錠剤(アルジータブレット、アルジギットなど)を投入し、数箇所のみ発生している場合は液状をスポイトなどで直接かけてあげると効果的です。 特に水槽前面の砂内部に発生したラン藻類は、液体の薬(アルジーデストロイヤーなど)を砂内部にスポイトで直接使用する(右下イラスト参考)事で大抵は止まります。

ウィローモス リシア スポイトで苔に直接噴射!